ミントの本当の色
ミントが勢力を増してきたので、摘み取って、糸を染めました。
梨木香歩の『からくりからくさ』と『りかさん』を読んでから、時おり草木染めをします。
色は草木全体から出ます。花からも葉からも枝からも出ます。
たとえば桜の一番きれいな色は、花が咲く前の時期の枝が隠し持っているそうです。
草木の隠し持つ色を見つけることこそ、草木染めの魅力です。
そのためにミントを熱いお湯に沈めます。
色を抽出する行為は、草木の体を殺して、隠していたものを抜き出す残酷な行為です。
台所に立ち込めるのはミントの香りと、後ろめたい高揚感。
ミントからはちょっと奇抜な黄緑色が出ました。
そんな色を身にまとって町を歩いています。