文芸誌『竜骨座』

自由な創作活動を楽しむ文芸・文学サークルcarina。文芸誌『竜骨座』の作成。

カテラン、現代アート

つい先日のニュースで興味深かかった話。
カテランというアーティストが、「コメディアン」という壁にバナナをテープで張り付けた作品を展示していたそうだ。
そのシンプルすぎる見た目がシュールで面白いのだが、さらに面白いのがこのバナナが模造品ではなく生ものでできているということ。
自分なら腐ると分かった時点で作らないだろう。久々に直で見てみたいと思える作品だった。

さて、ニュースというのはここからで、この作品、1300万円という価格で既に購入した者がいたのだが、とあるパフォーマンスアーティストが展示しているバナナの前に立ってこんなことを言った。
「いただきます」
美味しそうに食す彼。
来場者は笑ったが、何も知らないスタッフは顔を真っ青にした。
だが結果として、この行為は何ら問題がなかった。
なぜなら、生もののバナナは15分毎に張り付けなおされており、実害はほぼなかったのである。
そして何より、この作品の展示責任者が言うには「この作品は概念」だそうだ。

馬鹿げたようなくだらないことを考えさせてくれる作品、見る者により変化し質も意味も決めつけられない作品。
これは文芸作品じゃないですが、自分はこういう作品が好きですね。
作者の意図はあっていい。でも作者の想定内に収まらない。そんなのが書きたいなと常々思います。
まあ、だからといって1300万を払う人間の気はしれないけれど、、