文芸誌『竜骨座』

自由な創作活動を楽しむ文芸・文学サークルcarina。文芸誌『竜骨座』の作成。

ミュシャを見つける

ミュシャを見つける

先日まで渋谷のBunkamuraで行われていた『みんなのミュシャ』展、行かれた方も多いのではないでしょうか。
ミュシャは19世紀から20世紀の初頭にかけて活躍した画家で、ポスターを多く手掛けていました。円形の中に人物を配置する「Q字」の構図、星や花のモチーフ、波打つ女性の髪や服が特徴的です。そして、これらの特徴は現代の日本のマンガにも受け継がれている、というのが美術展の内容でした。
さて、最近になって、山田章博さんの絵もミュシャに通じるものがあるのではと感じます。
小説『十二国記』の挿絵を描いている方です。ちょうど18年ぶりの新作が出て、どこの書店でも見かけます。
豪奢なモチーフ、着物のしわ、髪のうねりといった細部に、ミュシャの影響を見ることができるように思います。(もちろん、全体的には作品世界らしくアジアンで幻想的な雰囲気があり、これはミュシャにはないものです。)
文字だけでは伝わらないと思いますので、興味を持っていただけた方は、ぜひミュシャ十二国記の挿絵を実際に見てみてください。

ちなみに、私はこの小説の大ファンです。読んだことがある方にとっても、これから読まれる方にとっても、この発見が『十二国記』のひとつの楽しみ方につながれば幸いです。