文芸誌『竜骨座』

自由な創作活動を楽しむ文芸・文学サークルcarina。文芸誌『竜骨座』の作成。

パンダプレートと春画展

もういくつ寝るとお正月ですね。今年も残すところあと数日です。
標記の件、11月頭の話にはなりますが、Carina一同で上野と銀座へ行って参りました。

諸事情により一部不参加のメンバもいましたが、東京組と福岡組が一堂に会するのも久方振りです。

最初に、私のかねてからの希望で、上野公園にあります「精養軒」で昼食をとりました。
明治5年創業の日本でももっとも歴史の長い西洋料理店の一つであり、東京でも指折りの老舗です。
文豪に愛されたことでも有名であり、夏目漱石から井上ひさしに至るまで多くの文学作品にも登場しています。

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写真は、私とRさんが注文した「パンダプレート」です。まさに、大人向けの「お子様ランチ」とでも形容すべきでしょうか。
子どもの頃デパートの最上階にあるレストランで食べたような、昔懐かしいお子様ランチの味でした。

次に、福岡組のMの発案で、つい先日まで銀座で開催していた「銀座の小さな春画展」を鑑賞して参りました。
ポルノグラフィの類には頗る疎い私は、最初は正直気乗りしていませんでしたが、「春画」と聞くやいなや童子のように目を輝かせるMを見て、ようやく重い腰を上げたのでした。

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猥褻物陳列罪に抵触するため、さすがに絵の全貌は掲載できませんが、鮮烈なイメージを植え付けるような絵です。
屹立した男根と、それを包み込むように迎える女陰。人目を忍ぶようにして情事に及ぼうとする二人。
元来セックスという行為に何の後ろ暗いところなどないはずなのに、隠れて愛を育もうとするこの二人にはどこか哀愁が漂っております。
否。お天道様に顔向けできない愛となれば、もしかすると不倫なのか……。

皆さん、良いお年をお迎えください!

「九州最後の炭鉱の島」へ

4月某日、サークルメンバー有志で「九州最後の炭鉱の島」池島へ出掛けました。

 

池島は長崎県の瀬戸港からフェリーで約30分、周囲約4kmの小さな島です。

2001年まで現役の炭鉱があり、九州最後の炭鉱の島として知られています。

今はほとんどの住民が去り、かつての炭鉱住宅が風雨にさらされるままになっているのですが、まだこの地で生活している方もいます。

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炭鉱ツアーの時間まで島内を散策しました。

至る所に残されているベルトコンベアや選炭工場、ジブローダーなどのかつての施設が、雑草の中に静かに佇んでいる様子はなんともロマンチックです。

当日は晴れ、青い空と海にはさまれてそのままタイムスリップできそうな感覚に陥りました。

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とはいえ、ここは有人島。洗濯物が干されている家があったり、また新しい車が停まっていたり、選挙ポスターが貼られていたりするのです。

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遺構と生活が入り混じる不思議な島でした。

 

その後の炭鉱ツアーでは、元炭鉱マンの情熱的な解説を楽しめました。

 

あっという間の池島探訪。

島の生活状況や建築物の風化具合は年々変わります。ぜひ今のうちに訪れることをおすすめします。

みなさんだったら、この島でどのような物語を思い浮かべるでしょうか。

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【サークルメンバー募集のお知らせ】

当サークルは文芸創作サークルではありますが、廃墟・遺構好きも多く在籍しています。

文学と廃墟に興味のある方、一緒に活動しませんか?

全国・全世界からの参加が可能です。お待ちしています。

3月定例会と聴覚描写

3月定例会を行いました。

5月の文学フリマで販売する同人誌の作品が出そろってきました。ここからメンバー間で校正校閲を行い、より精度をあげて世に出したいと思います。

今回のテーマは「逆転」。さまざまな「逆転」の解釈のもとで各メンバーが書いた作品をお楽しみに。

 

活動としては、聴覚描写を試行的に行いました。

各メンバーが持ってきた音楽(クラシック、洋楽等。日本語の歌詞が入っていないもの。)を聞き、そこから連想した描写や物語を各自が文字にするというもの。人によって得るイメージが異なることもあれば、全員が同じイメージを持つこともあり、面白い活動になりました。

今後の交流活動でも取り入れていけそうです。

 

新生活でばたばたしがちな時期ですが、Carinaは変わらず活動を行っていきます。

2023年のCarinaと軍艦島

新年の挨拶が遅れてしまいました。

2023年も文芸創作Carinaをどうぞよろしくお願いします。

 

みなさん年末年始はどのように過ごしましたか?

Carinaの九州支部代表は軍艦島クルーズに行ってきました。

念願の軍艦島。クルーズ船が出発して40分ほどで島影が見えてきます。

軍艦のような姿をご覧ください…!

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この小さな島に何千人もの人が暮らしていた過去を想像すると、当時と現在とのギャップに一抹の寂しさを感じますね。

建物は風化が進み、数ヶ月のうちに崩れるだろうと言われているものもあります。

この島の形もいずれ見られなくなるかもしれません。

 

異世界を垣間見て帰ってくるような旅ができます。

興味のある方はぜひ一度行ってみてください。

 

さて、今年のCarinaは5月の文学フリマ東京への参加の他、秋に地方の文学フリマへの遠征参加も計画しています。

進捗はまたブログ等で報告したいと思いますので、これからもCarinaの活動にお付き合いいただけると嬉しいです。

映画版ビブリオバトルを行いました

11月13日の定例会後に、サークル活動の一環で、映画版ビブリオバトルを行いました。

本来のビブリオバトルは各自が面白いと思った本を紹介し、参加者でその本について話し合うというものですが、今回はこれを映画で行います。

各自がおすすめの映画をプレゼンして、どの映画を見たくなったか話し合う企画です。

 

プレゼンされた映画は以下の6つ。

メメント』……見どころは時間の流れが逆行している物語構造。記憶と死にまつわる物語。これが低予算で作られているとは思えない!

『300(スリーハンドレッド)』……圧倒的な映像美!肉体美!ムキムキのマッチョが好きな方は必見。

英国王のスピーチ』……吃音を抱えた王様がスピーチを披露することに。人前で話すことが苦手な方はきっと共感するところがあるはず。

ロスト・イン・トランスレーション』……東京のホテルで出会った孤独なアメリカ人二人が、友達でも恋人でもない関係を築いていく。東京の描き方も必見。

式日』……エヴァ庵野監督が作った初の実写映画。なぜ虚構を描いた作品が世の中に受けるのか。この映画にヒントが隠されているかも。

リアリズムの宿』……成り行きで出会った男女三人のロードムービー。日本の寂れた温泉街が好きな方、ゆるい笑いが欲しい方におすすめ。

 

ここにはまとめきれないほどの魅力がそれぞれのメンバーから語られました。

タイトルは知っていたものの特に見ようとは思わなかった映画も、その人がその映画を勧める理由を聞くと、あらすじだけではない魅力を知ることができて見てみたい気になります。

ジャンルもばらけて、映画への興味が広がる機会になりました。

 

来月は本来の書籍版ビブリオバトルを行う予定です。

また様子はブログにてお伝えしたいと思います。

夏目漱石の軌跡をたどる~『草枕』の旅~

福岡支部代表の無良戸です。

 

先日、熊本県の小天温泉を訪れました。

夏目漱石の『草枕』の舞台となった地です。

 

竹林の中の石畳の道、峠の茶屋、眼下に広がる有明海、みかん畑、そして作品中で画工が滞在した前田家別邸。

 

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「夢のような詩のような春の里」と漱石が描いた土地そのままの、暖かくのどかな雰囲気を持つ温泉郷でした。(訪れたのは秋でしたが……)

 

時間と体力があれば、漱石の辿った道を全行程歩き通してみたいものです。

 

こんなCarina福岡支部の活動におつきあいくださる方、いつでも大歓迎ですよ!

萩原朔太郎展行ってきました

転職してから6kg太って体重計の上で泣きました。駒田です。

 

それはさておき、世田谷文学館で開催中の萩原朔太郎展、ならびに徳富蘆花の邸宅跡地である芦花公園に行ってまいりました。

アクセスの悪い閑静な住宅地になぜこの施設を建てたのか謎ですが、内容は素晴らしかったです。詩の世界は小説以上に社会不適合な人が多い気がしますね。もちろん私はちゃんと働いてますが。

 

その後は、次の定例活動であるシネマバトルの資料をマクドナルドで作り、文化的な休日(文化の日だしね)になりました。

 

ダイエットがんばります。